わが袖は潮干に見えぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし
人も愛し人も恨めしあじきなく 世を思ふゆゑにもの思ふ身は
天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ 乙女の姿しばしとどめむ
君がため春の野に出でて若菜摘む わが衣手に雪は降りつつ